研究課題/領域番号 |
19K12790
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
宋 成浩 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30206669)
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研究分担者 |
中山 哲成 獨協医科大学, 医学部, 助教 (40816112)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 膀胱機能 / 下部尿路 / シミュレーション / 流体力学 |
研究実績の概要 |
流体力学シミュレーションによるMRI画像による先行研究の結果から、排尿時の尿流は膀胱内で規則的な流体運動が見られることが確認された。この運動は膀胱の前壁方向から頂部、後壁方向へと一定の流れであった。しかし、規則正しい流体運動が全ての対象に認めるわけでなく50%程度で、高齢者より若年者に多く認められた。幼児から思春期までの尿道形態を解析すると、解剖学的な変化が明らかにあることが確認された。成長とともに膀胱、尿道の解剖学的変化があり、また形態が変化することで流体運動の違いがあり、排尿機能に反映されるものと推測された。これらのことから規則的な尿流体運動が膀胱内、下部尿路にも認められることが推測され、尿の流体運動は排尿機能を直接的に、また間接的に反映しているものと考えられる。我々は、尿流体の規則的運動は、膀胱形態と膀胱収縮により発生するものと想定している。本仮定を証明すべく膀胱の部位別の形態変化の大きさについて、まず2次元運動解析ソフトを使用して解析を実施した。膀胱重心から放射状に60°の等角度で膀胱壁から重心を通る直線を3本を引描き、膀胱壁の交点と重心を結んだ直線長が排尿により収縮する量を測定。また、膀胱頸部内尿道口から膀胱壁の6点を結んだ6本の直線距離の時間による変化量を解析すると、後者が排尿時の膀胱変化をより的確に表しているようであった。また膀胱収縮には僅かな時間的なずれと、収縮量の違いが存在していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までに蓄積されたデータをもとに、今回行った膀胱内2次元流体解析結果と先行研究のシミュレーション結果の相違点について確認作業をしているが、新たな動体解析を行うためのデータの2次利用が必要であるため、研究計画の修正を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
膀胱収縮筋の運動量の正確な測定は、膀胱のより正確な排尿シミュレーションを行う上で必要不可欠なデータと考えられる。さらに膀胱内の尿流の動態だけでなく、尿道内、外尿道口からの尿流の解析も必要である。尿道内の尿流についてのシミュレーションと外尿道口からの尿流についての動態解析が必要と考えているが、そのために外尿道口からの尿流の高速高解像画像の画像解析が必要と考え計画中である。以上の結果を踏まえ、排尿シミュレーションの構築を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19で、国内、海外学術集会の交通費、宿泊費、参加費の支出がなかった。研究計画が遅れており物品費が計画より支出が少なかった。次年度は、計画進行に伴い画像解析のための物品費、海外学会発表に要する費用が発生する予定。
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