研究課題
基盤研究(C)
下腿の筋である腓腹筋および前脛骨筋に電気刺激を与えて,そのときの圧力中心(重心を床面に投影した点)の揺らぎを計測した.電気刺激を入力とし,圧力中心の揺らぎを出力とする伝達関数を同定して,筋および足関節の弾性を推定する方法を開発した.開発した方法を,静止立位時に適用し,腓腹筋の弾性が30から80N/mであること,また前脛骨筋の弾性も同程度であること,足関節の弾性は800 Nm/rad程度であることを明らかにした.
生体工学
立位は人に特徴的で基本的な姿勢であり,その維持には下肢筋の活動と弾性が深く関わっている.下肢筋の活動は筋電図を用いて知ることができるものの,弾性を立位で計測する方法は存在しなかった.本研究では,立位時の下肢筋の弾性を推定する方法を開発した.本研究で計測した立位姿勢を維持しているときの圧力中心の動揺は,老化やパーキンソン病などの疾病によって応答が変化することが知られており,これらと姿勢維持のためのアクチュエータである筋および関節の弾性の関係を明らかにすることができる.