研究課題/領域番号 |
19K12794
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
片岡 健 岡山理科大学, 理学部, 教授 (10293317)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 皮膚 / 付属器 / 毛嚢 / スフェロイド / 組織形成 |
研究実績の概要 |
本研究課題はマウスとニワトリの胎児皮膚より調整した異種動物細胞をハイブリッド移植することで、組織形成時のクロストークを詳細に解析することを目標 としている。 2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、全てにおいて十分な検討ができたとは言えない。2019年度に方法を確立したマウス妊娠16日目の単一表皮細胞と単一真皮細胞を用いて形成したスフェロイドを、人工皮膚として豚由来のコラーゲンスポンジ基材であるペルナックGプラス®に播種して培養を行った。ただスフェロイドを播種しただけでは定着率は低かったが、この基材に事前にヒト正常線維芽細胞を播種しておくとスフェロイドの定着率は向上した。ただこの方法で培養内で毛のうなどの皮膚付属器を人工的に形成することはできなかった。 一方で、ニワトリ胎仔由来細胞を用いてスフェロイドを作製する実験を予備的に行ない、表皮細胞及び真皮細胞の分離と回収には成功しているが、スフェロイ ド作製には至らず今後は培養方法を改善することを検討している。また皮膚細胞の増殖と分化に酸素条件が影響を与えている可能性があるため、低酸素培養を開始し検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の目的である異種動物由来の細胞培養として、マウスとニワトリの皮膚細胞をそれぞれ分離・培養することで一定の進捗は見られたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり混合培養しその付属器形成能を評価するまでには至っていない。一方で酸素条件の影響など新たな知見も見出しているので、それらを含めて今年度以降は本研究をまとめていく方針である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は本研究のまとめとして実験を実施する方針である。すなわちニワトリ由来付属器幹細胞を標識した後に、マウスの表皮細胞・真皮細胞とともにin vivo マウス皮膚形成モデルを用いてハイブリッド移植する実験、及びニワトリとマウスを入れ替えた実験を行う予定である。また酸素条件の皮膚細胞絵の影響についても精力的に検討を進める方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり動物実験を予定していた回数実施できず、そのため余剰金が発生した。次年度の動物実験の費用として組み込み使用する計画である。
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