• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

人工ネオエピトープを提示した疑似感染エクソソームを用いる抗腫瘍免疫治療の新戦略

研究課題

研究課題/領域番号 19K12806
研究機関大阪公立大学

研究代表者

小山 義之  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 客員研究員 (00162090)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードガン免疫治療 / 細胞外小胞 / ESAT-6 / VA-RNA / インターフェロン
研究実績の概要

近年がん免疫治療への期待が高まっている。しかし腫瘍抗原は一般に免疫原性が低く、抗腫瘍細胞性免疫が成立しづらいため、免疫治療の効果は得られにくい。
我々は、微生物感染における免疫活性化を模倣し、結核菌の強い抗原、ESAT-6の遺伝子を腫瘍に導入し、免疫を活性化させることを試みた。ESAT-6の遺伝子の導入は、高い効率で抗腫瘍細胞性免疫を誘導し、顕著な抗腫瘍効果を示した。さらにESAT-6抗原を含む細胞外小胞(EVs)を調製し、これが樹状細胞を成熟・活性化させる機能を持つこと、また、担癌マウスに投与すると高い抗腫瘍効果を導くことを確認し報告した。
より安全な治療法として、EVsそのものではなく、ESAT-6含有EVsで活性化した培養樹状細胞のみを投与する方法を試みたところ、担癌マウスにおいて著しい治癒効果が得られることを確認した。
微生物が免疫を活性化するもう一つの機構として、細胞のウイルスセンサーが微生物の共通要素を検出して活性化し、I型インターフェロン(IFN)の分泌を誘導するメカニズムがある。アデノウイルス由来の低分子核酸、「VA-RNA I」はウイルスRNAセンサーであるRIG-Iに結合してIFNの分泌を強く導く。そこで、VA-RNA Iの遺伝子を含んだプラスミドDNAを調製し、培養細胞に導入したところ、有意なIFNの分泌を認めた。同プラスミドDNAを導入した細胞が分泌するEVsはVA-RNA Iを内包すると期待される。そこで種々の培養細胞からVA-RNA I 内包EVsを調製し、担癌モデルマウスに投与したところ顕著な抗腫瘍効果が認められた。
以上の結果から、このような微生物由来成分を含んだ免疫活性化EVsが抗腫瘍免疫治療の新しい戦略として有用であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] インターフェロン誘導機能を持つアデノウイルス由来の小分子核酸「VA-RNA」の細胞外小胞によるデリバリーとその抗腫瘍効果2023

    • 著者名/発表者名
      小山義之、溝口出、善本隆之、 伊藤 智子
    • 学会等名
      第39回日本DDS学会学術集会
  • [学会発表] 微生物感染に学ぶ抗腫瘍免疫遺伝子治療の新戦略2023

    • 著者名/発表者名
      小山義之、伊藤 智子
    • 学会等名
      遺伝子・デリバリー研究会第21回夏期セミナー
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi