研究実績の概要 |
光増感剤含有アップコンバージョンナノ粒子の調製の検討として,希土類には粒子の核をなすY(イットリウム),そしてアップコンバージョンを起こすYb(イッテルビウム),Tm(ツリウム)を用いた.光増感剤として8-メトキシソラレン ,フタロシアニンを用いた.ナノ粒子の調製法は,まずオレイン酸と1-オクタデセンの入ったフラスコにYCl3,YbCl3,TmCl3を加え,150 ℃で45分間加熱することで,希土類を含むオレイン酸のエマルションを形成した.その後,NH4F,NaOH含有メタノール溶液,光増感剤を加え,100 ℃で30分間加熱し,発生するガスを取り除いた後,さらに290 ℃で1.5時間加熱することでNaYF4核ナノ粒子を得た.得られた粒子をエタノール,2 MHCl溶液で処理した後,エタノールで余分な酸を洗浄した. さらに,粒子の水溶性及び生体適合性を高めるために粒子の表面をシリカでコーティングした.純水とPolyvinylpyrrolidone(50 mg/mL)水溶液にUCNPsを添加した後,超音波を30分間,撹拌1時間行い完全にUCNPsを分散させた後,アンモニア水を加えpHを7に調整した.さらに超音波を30分間照射後,TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)を加え12時間撹拌することでUCNPsをシリカでコーティングし,その様子をTEMで測定した. 得られた粒子を利用し細胞を用いた実験を行った.HeLa細胞,DLD-1において,顕著な細胞毒性を示すことが確認できた.
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