研究課題/領域番号 |
19K12819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柿川 真紀子 金沢大学, 生命理工学系, 准教授 (10359713)
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研究分担者 |
山田 外史 公立小松大学, 生産システム科学部, 教授 (80019786)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 交流磁場 / 薬剤作用 / 膜電位 / 膜タンパク質 |
研究成果の概要 |
ヒト肺がん細胞株A549、ヒト子宮肉腫細胞株MES-SAおよびMES-SA由来の多剤耐性細胞株MES-SA/Dx5を用いて、細胞膜電位への磁場影響を測定した結果、磁場のみ曝露の場合はどの細胞の膜電位も2.5~3 mV 増加、抗がん剤+磁場の併用の場合にはA549 とMES-SA細胞では膜電位の増加が見られたのに対し、MES-SA/Dx5細胞では変化が見られなかった。さらにA549細胞から非変性的に抽出した膜タンパク質の立体構造は、磁場曝露により変化することを示す結果が得られた。これらの本研究結果より、磁場は細胞膜電位と一部の膜タンパク質の構造を変化させ、その変化は可逆的であることが示唆された。
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自由記述の分野 |
生体工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
交流磁場を曝露することで標的部位での薬剤作用を高められれば、投薬量を減らし副作用を抑えられる可能性がある。しかし、抗がん剤の種類によって磁場の作用増強率が異なるデータが得られており、磁場による薬剤作用の増強メカニズムを明らかにする必要がある。 本研究結果により磁場は細胞膜電位や一部の細胞膜タンパク質の構造を変化させること、またその変化は可逆的で磁場曝露後には元に戻ることが示唆された。タンパク質の構造はその機能と密接にかかわるため、さらに研究を進めて磁場による細胞内への薬物輸送への影響を明らかにできれば、磁場により作用を増強しやすい薬剤の同定が可能となり、磁場の医療応用につながることが期待できる。
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