光線力学療法(PDT)は光増感剤とレーザー照射に基づく低侵襲ながん治療法である.原発性悪性脳腫瘍を対象としたタラポルフィンナトリウムを用いたPDTは,外科切除後の遺残腫瘍に対して実施される.治療において,レーザー照射による組織内光分布が抗腫瘍効果に影響するため,各組織形状に応じて組織内光伝搬を考慮した適切なレーザー照射位置の設計が必要である.本研究では,組織内光分布の定量比較と焼きなまし法に基づくレーザー照射位置条件の最適化を提案・実装した.本研究により,過剰照射を避けつつ治療領域へのレーザー照射範囲を最大化するレーザー照射位置・角度の設定が可能になった.
|