研究課題
我々は独自に開発した、新規デバイス(超小型広視野角監視カメラBirdView)や教育法(内視鏡外科手術技術力評価システムHUESAD (Hiroshima University Endoscopic Surgical Assessment Device))を用いて安全な内視鏡外科手術の普及に務めてきた。内視鏡外科手術の最大の利点は拡大視効果であり、精緻な手術を行う条件を得ることができる。一方で、死角の存在、触覚の低下、が欠点であり、これらを克服するための研究に力を入れて取り組んできた。特に最近急速に普及してきたロボット支援下手術では触覚が欠如しており、リスクも抱えているのが現状である。本研究ではさらに踏み込んで、他プロジェクトで既にコンセプトは特許出願済の没入型カメラを画像処理後に3Dヘッドマウントデイスプレイ(HMD)に投影する技術と、同じく既に開発済のセンシング技術(力覚提示システム) を応用することで安全な内視鏡外科手術に貢献することを目的としてスタートした。しかしながら、センシング技術に関して、直線的な動作時の力覚を定量することは可能となったが曲線的な動作時の力覚を定量する技術を確立することが難しく、現時点での実臨床への応用は困難と判断した。そこで取り組んだのが、BirdViewの応用である。2022年3月31日に薬事認証を無事取得することができた。センシング技術の代わりに第2の目で安全性を担保しながら、没入感を得た拡大視効果を最大限活用できる環境作りを進めることに方針転換した。2022年6月から「超小型広視野角監視カメラBirdView」のPhase I の臨床試験を開始して無事終了し、安全性を確認できた。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件)
Surg Today.
巻: 52 ページ: 971-977
10.1007/s00595-021-02426-y.