本研究では超音波フレキシブルプローブを用いて、①生体模擬ファントムから取得したエコー情報を元にプローブの形状を推定する。次に、得られたエコーと プローブ形状の情報を統合し、高精細な画像を生成する。この時、②素子間隔の広さを補間するために圧縮センシングを適用しイメージングを行う。これによ り、素子間隔の狭いアレイプローブを仮想的に得ることができ、高精細でグレーティングローブが抑制された画像が得られる。さらに、 ③深層学習をベースに プローブの形状、イメージング対象とそのエコー情報を既知の教師データとして学習させることで、プローブ形状の推定から画像化までを一挙に行いグレーティ ングローブのない画像を生成する。 当該年度は、超音波フレキシブルプローブを生体にフィットさせた状態で画像化を行う際、プローブの変形によってビームフォーミングを正しく行えなくなるという問題を解決するために、超音波の直達波を利用してプローブの形状推定を行う方法を検討した。また、素子ピッチが大きいプローブで画像化を行った際の画像劣化を抑制する手法についても研究を行った。 その結果、昨年度に提案したフレキシブルプローブの形状推定方法を拡張し、超音波の送信回数を増やすことでより精度の高い形状推定を行うことに成功した。また、圧縮センシングを用いて、素子間隔の広さによって生じるグレーティングローブを抑制するためのビームフォーミング信号処理について基礎検討を引き続き行い、評価実験を行った。
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