今年度は、研究期間延長の1年間であることを視野に入れ、マイクロヒーター(MH)の形状の最終検討に加え、当初想定した7フレンチカテーテルを、より細い血管に対応するために5フレンチカテーテルに挿入可能なサイズへのMHの極小化に取り組んだ。また、これらMHの焼灼効果も評価した。 先ずMHの形状について、①長さ4㎜のバイオメタルヘリックス(BMX)の両端を、長さ1m、直径(φ)0.26㎜のエナメル線(導線)2本で挟むように連結した。その際、導線のφがBMXの内径よりも太いため導線の先端部分をφ0.1㎜以下になるように削り、その後BMXに導電性接着剤(接着剤)で接着した。挿入する導線の長さはBMXの抵抗値の変化を考慮して、連結に耐える最小限に留めるようにした。最後にこれら2本の導線が平行に位置するように仕上げた。結果的にBMX部分はU字型になった。②1本の導線の端を予めU字型に曲げ、もう1本は直線状のままで先端を長さ4㎜のBMXの両端に連結した。結線には①と同様に導線それぞれの先端をφ1㎜以下にまで削り、接着剤を使用した。BMXは、U字型に曲げた方の導線と平行に位置させた。 次いで、前年度作成のスリーブ連結MHに加え、上記の通りに作成したMH①、②を用いて、初めは市販牛肝臓、後にウサギ生体肝を用いて焼灼実験をした。その際、印加電圧、印加時間を様々変えて実験した。最終的にMH②が5フレンチカテーテルへの挿入も含め、本研究課題に最適であるとの結論を得た。なお、導線とBMXとの連結には、小型スリーブを用いて加締めることも試みたが、5フレンチカテールへの挿入操作を含め、最終的には接着剤の使用が望ましいと判断した。 なお、MH②によるウサギ生体肝の実験では、電力目標1.1Wでの焼灼で断線が認められた。その理由を血管内操作であることによる負荷等を視野に、今後検討する予定である。
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