研究課題
管腔狭小化ファントムモデルにおいて、High-speed pullback OCT(血管内光干渉断層法)の画像データから、心筋血流予備量比(Fractional flow reserve:FFR)・壁ストレス(Wall shear stress・Axial plaque stress)を算出するためのアルゴリズムの実行可能性を検証した。病理解剖摘出心臓の冠動脈を対象として、High-speed pullback OCTの画像データを収集した。OCTカテーテルは、先に冠動脈内に挿入した0.014インチ径のガイドワイヤーに沿わせることにより、安全に血管内に挿入することができた。冠動脈内を生理食塩水で還流した状態で、OCTのプローブ(探触子)を、自動プルバック装置により毎秒100mmでカテーテル内の光レンズを引き抜き、50mm長を撮像した。OCT画像において、冠動脈内腔面を、自動検出機能を用い、必要に応じてマニュアルで補正しながら、同定した。病理解剖摘出心臓の冠動脈を摘出し、1mmごとに血管を短軸方向に割断して病理標本を作製した。OCT画像および解剖摘出心臓の冠動脈の病理標本から、心筋血流予備量比・壁ストレスを算出した。両者のデータを比較することにより、OCTで算出したデータの正確性を評価した。また、OCTで算出したデータの再現性を、OCTカテーテルおよび、OCT画像収集手技について検証した。
2: おおむね順調に進展している
ファントムモデルおよび、病理解剖摘出心臓の冠動脈での、冠動脈の血流循環・壁ストレス情報の収集を可能にするOCT(血管内光干渉断層法)の実行可能性は検証できた。
OCT(血管内光干渉断層法)による冠動脈の血流循環・壁ストレスの評価システムの設定・解析アルゴリズムを調整・修正し適正化する。病理組織像との対比により、急性心筋梗塞の責任・原因病変であるプラーク破裂の検出に関する個々のパラメータのカットオフ値を求める。
実験研究が円滑に実施できたため、冠動脈用カテーテルキットに関して、想定していた誤操作による物品消耗が少なかった。そのため、物品費が予定より少なかった。翌年度分として請求した助成金とあわせて、研究対象と実験・検証回数を増加させることに使用する予定である。研究成果の論文報告・学会発表にも合わせて使用する予定である。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 9件、 招待講演 10件) 図書 (2件)
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