研究課題/領域番号 |
19K12846
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
久保 隆史 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (30316096)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 光干渉断層法 |
研究実績の概要 |
血管内光干渉断層法(Optical Coherence Tomography: OCT)画像を解析した。まず、すべての画像のスクリーニングを行った。アーチファクトを含む画像フレームや血液除去が不十分のため不鮮明な画像フレームを除外した。OCT撮像手技に伴い、血管内腔表面に傷害が生じている画像フレームも解析から除外した。解析に適する良好な画像フレームを専用コンピュータソフトウエアで解析した。血管内腔を自動検出機能を用いて同定した。検出誤差を目視で再評価し、誤差がある場合は必要に応じてマニュアルで修正した。自動計測機能を用いて、血管内腔面積、血管内腔容積、関心領域(動脈硬化病変)の内腔狭窄度をすべての画像フレームで計測した。関心領域は、内腔狭窄の近位部と遠位部において、最も内腔面積が大きく、血管壁に動脈硬化性変化がないもしくは正常に見える画像フレーム間の血管と設定した。プログラムした専用コンピュータで解析し、心筋血流予備量比(Fractional flow reserve: FFR)・壁ストレス(Wall shear stress ・ Axial plaque stress)を算出した。FFRは、血管全体のFFRと、関心領域のFFRを測定した。同一血管における複数回のOCT画像を解析することによりシステムの再現性を評価した。さらにそのデータを基にシステムの設定・解析アルゴリズムを調整・修正し適正化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
専用システムによる、血管内光干渉断層法(Optical Coherence Tomography: OCT)画像の血管内腔自動検出・自動計測機能の精度を評価できた。また、心筋血流予備量比(Fractional flow reserve:FFR)・壁ストレス(Wall shear stress・Axial plaque stress)を算出するInter-study reproducibilityを評価できた。
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今後の研究の推進方策 |
急性心筋梗塞の責任・原因病変であるプラーク破裂の検出に関する個々のパラメータのカットオフ値を求める。急性心筋梗塞をきたす危険性の高いプラーク破裂の前駆病変とされる、大きな脂質性壊死性コアと65マイクロメートル未満の薄い線維性被膜を有するThin-cap fibroatheroma(TCFA)を選出し、血管内光干渉断層法(Optical Coherence Tomography: OCT)画像に基づいた心筋血流予備量比(Fractional flow reserve:FFR)・壁ストレス(Wall shear stress・Axial plaque stress)を計測する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の流行の影響で、出張費などが使用できずに残った。翌年度文とあわせて、Webカンファレンスのコンピュータ環境整備に使用する予定である。
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