2次元材料であるグラフェン、h-BNそして遷移金属ダイカルコゲナイドなどは、表面吸着ガスによる電気的特性の変化を高感度で検出する事が可能であり、多くの成果が発表されている。また、2枚のグラフェンを角度を変えて面内で回転させて積み重ねることで、結晶中にモアレ構造を作り出し新しい超伝導材料が発見され、また、回転角度を調整する事で、絶縁物や金属になるなどの新機能も明らかになって来た。つまり、例えば、2枚のグラフェンの積み重ねる際の角度によって、モアレ周期構造が変化、バンド構造が変化するだけでなく、フォノン分散特性も変化するため、吸着ガス分子の吸着力の変化、吸着サイトがモアレ周期により変化し、ガス検出の感度向上、混合ガスの場合の、ガス種による吸着サイトのモアレ周期性依存など、全く新しい形のモアレ周期性依存型ガスセンサーの大きな可能性が期待された。また、例えば、グラフェンとMoS2とを積み重ねた、異種材料モアレ構造化により、グラフェンに好感度なガス種とMoS2に好感度なガス種を、同時に一つのデバイスで検出できる、異種材料モアレ型ガスセンサーの開発を進めている。現在、二次元シートを回転させて2 層に積み重ね(ツイステッド・ファンデアワールス・ヘテロ・ホモ接合)る事に成功し、また、自動計測プログラムも開発した。現在、これら各種材料のモアレガスセンサーの皮膚ガス分子のガス検出感度の調査を行なっているところであり、論文としての発表の準備を進めている。
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