一般的な PET 検出器は微小なシンチレータと少数の受光素子から構成され、効率的な検出が可能であるが、アナログ演算の過程で誤差を生じる。一方、シンチレータと受光素子を 1:1で対応させることで演算誤差を生じないデジタル PET検出器も開発されているが、受光 素子のサイズによってシンチレータのサイズが制限される。本研究では高精度かつ効率的に 信号を取得可能な 3 次元デジタル PET 検出器を提案する。開発する受光素子の1/4サイズのシンチレータを用い、シンチレータは受光素子との接続面以外を光学的に遮蔽する。 この際、2つの受光素子をまたがる1対のシンチレータの上部の一部分のみを光学接続する ことで受光素子の組み合わせと出力比で検出したシンチレータを一意に決定できる。本方式 によってシンチレータ数の1/4 の受光素子でデジタル PET 検出器を実現でき、出力比から深 さ情報も取得可能な3 次元デジタルPET検出器を開発する。 1.45x1.45x4.5 mmのGAGGシンチレータを14x14x4層に積層し、8x8のMPPCアレイに光学接続することでプロトタイプ検出器を開発した。一様照射実験の結果から深さ方向も含めて全てのGAGGを容易に識別でき、9%の高いエネルギー分解能を得ることができた。
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