研究課題
一般的なPET検出器は微小なシンチレータと少数の受光素子から構成され、効率的検出が可能であるが、アナログ演算の過程で誤差を生じる。一方、シンチレータと受光素子を1:1で対応させることで演算誤差を生じないデジタルPET検出器も提案されているが、受光素子のサイズによってシンチレータのサイズが制限される。本研究では高精度かつ効率的に信号を取得可能であり飛行時間差(time-of-flight:TOF)も取得可能な3次元デジタルTOF-PET検出器を開発した。受光素子の1/4サイズのシンチレータを用い、シンチレータは受光素子との接続面以外を光学的に遮蔽する。この際、2つの受光素子をまたがる1対のシンチレータの上部の一部分のみを光学接続することで受光素子の組み合わせと出力比で検出したシンチレータを一意に決定できる。本方式によってシンチレータ数の1/4の受光素子でデジタルPET検出器を実現でき、出力比から深さ情報も取得可能な3次元デジタルTOF-PET検出器を開発する。本年度は鏡面仕上げのシンチレータの1側面だけ粗面にすることで高い時間分解能と検出深さの分解能を両立を達成した。これまでの化学研磨のシンチレータは特定の製造メーカが技術を有しているため、本方式によって利用可能なシンチレータの幅を広げることができる。
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment
巻: 1049 ページ: 168114~168114
10.1016/j.nima.2023.168114
IEEE Transactions on Radiation and Plasma Medical Sciences
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10.1109/trpms.2023.3255557