研究課題/領域番号 |
19K12860
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
稲葉 洋平 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (70704667)
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研究分担者 |
千田 浩一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (20323123)
常陸 真 東北大学, 大学病院, 助教 (50400362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 水晶体被曝 / 水晶体防護眼鏡 / 放射線防護教育 / 放射線計測 |
研究実績の概要 |
放射線医療従事者の業務は、一般撮影(X線ポータブル撮影含む)・CT (Computed Tomography) ・IVR (Interventional Radiology) ・核医学 検査・放射線治療など多岐にわたる。2011年に国際放射線防護委員会 (ICRP) は、水晶体等価線量限度を今まで考えられてきたものより約1/8に引き下げる勧告 (150 mSv/year → 20 mSv/year) をしたため、放射線従事者が放射線白内障になる危険性が大幅に増加することが危惧されており、可及的速やかな対応が国際的な課題となっている。ゆえにあらゆる医療従事者に水晶体防護策を施行するためには水晶体被曝を可視化して放射線防護教育することが今後の法改正に向けて必要であるが水晶体防護と教育を併せ持つ医療用デバイスが存在しない。本研究では水晶体被曝を可視化できる医療用ウェアラブル型水晶体防護メガネの開発を試みる。 2019年度は、様々な放射線検査場の中で歯科領域、CT領域の平面および高さ双方の空間散乱線量分布の測定を行い、水晶体高さレベルでの3次元的な空間散乱線量の基礎データを得ることができた。また、実際に歯科X線装置およびCTガイド下インターベンションに従事するスタッフの被ばく線量測定を一部開始した。2020度は、CT透視下インターベンション時の医師、看護師の放射線被曝測定を実施した (Inaba. Y, Diagnostics 2021 in press) 。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響により、病院内での放射線被曝測定が遅れている。また、水晶体被曝を可視化する線量計の試作が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、新型コロナウイルスにて遅れていた空間散乱線量分布から最適な医療用ウェアラブル型水晶体防護メガネのプロトタイプを作成する。また、その改良点や防護効果について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、新型コロナウィルスの影響で物件費および旅費の使用が極端に少なかったため2021年度に使用する予定である。
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