研究課題/領域番号 |
19K12861
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
三原 美晴 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (40377263)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アイトラッカー / 視線追跡装置 / 間欠性外斜視 / 小児 / サッケード |
研究実績の概要 |
乳幼児仕様の視線追跡装置の作成をナックイメージテクノロジー社に依頼し、0歳から4歳の乳幼児用の視線追跡装置EMR-9(特注)を作成した。また、本学で本研究以前から使用している視線追跡装置ViewPoint EyeTrackerを用いて、5歳から12歳までの間欠性外斜視の患者の眼球運動を測定し、この区分の症例数は目標を達成した。5歳から12歳までの衝動性眼球運動(サッケード)、追従性眼球運動(パシュート)、輻湊、固視の眼球運動データを解析中であり、サッケードの解析は終了した。サッケードの最大速度とGainについて、間欠性外斜視群と正常群で内転優位性は同じ傾向であったが、間欠性外斜視群の大部分が良好な立体視や輻湊を有することが影響したと考えられた。また、この年齢区分のサッケードからは、正常群と有意な差がみられず、間欠性外斜視の発症時期に当たらない可能性も考えられた。この研究結果は、第78回日本弱視斜視学会総会の一般口演で公表する(演題採択済み)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染拡大の影響を受け、乳幼児の対象者を広く集めることができず、また、一部取得できた乳幼児の解析可能データの取得率も当初の予想(50%)より大幅に下回っているため、当初の研究計画から遅れている。一方、5歳から12歳までのデータ取得は目標数を達成している。そのため、本研究期間中は、難渋すると思われる0歳から4歳児の研究は一旦中断し、まずは取得できた5歳から12歳児のデータ解析から進めることにした。
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今後の研究の推進方策 |
小児の眼球運動データの取得で最も難関であるのが、検査協力が得られにくい乳幼児である。とくにキャリブレーションが難しく、EMR-9(特注)の製作元のナックイメージテクノロジー社とこの点を集中的に改善する。また、0歳から4歳児については各区分において、当初の予定の症例数(各月齢・年齢20名ずつ)を10名ずつに減らす予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は研究の遅れのため実支出がなく、2022年度に繰り越しとなったため。
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