研究課題/領域番号 |
19K12867
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山本 景一 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70416387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人工知能 / 薬剤治療 / コンピュータブルフェノタイプ |
研究実績の概要 |
当初の研究計画では単にAI技術を用いて電子カルテから候補となる複数の病名を示し医師がインタラクティブに正解の病名を算出するような数理モデルの構築を検討していた。しかし、医療でのAI利用の進展は目覚ましく、電子カルテから一連の治療経過の結果である病名や症状を類推する技術開発はコンピュータブルフェノタイピングという名称で世界中で行われており、すでに新規性が乏しくなっている。 そこで、治療経過の総体としての病名・症状を類推するだけでなく、エネルギーランドスケープ解析という手法を用いて、時系列で刻々と変遷する患者の「状態」を治療効果と関係付けて可視化する数理モデルの開発を行っている。本手法を用いると、刻々と変わる患者の状態を可視化し、患者の状態の変化に合わせて都度最適な治療方法を提案できるようになる。このことにより、新規治療法を評価する場合など、従来は治療全体の総体で評価を行うしかできなかったところを、より診療の実態にそった詳細な評価が可能となる。 我が国を代表する大規模リウマチ疾患多次元時系列データベースである京都大学のKURAMAコホートを対象にエネルギーランドスケープ解析を用いて薬剤の最適多段投与モデルを開発する本研究は、世界でも最先端の取り組みであると考えている。本研究で実施するデータ分析手法は、PHRやウエアラブルデバイスなどから収集されるライフログ等の頻回計測データの分析にも応用可能である。 現時点で、ほぼ数理モデルの開発が終了し、本年度中に論文の採択を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症対策のため、1年程度ほとんど研究を実施することができなかった。研究期間を1年延長し、本年度内に論文採択を目指したい。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究として、京都大学、大阪市立大学、大阪電気通信大学で研究グループを構成し、研究を遂行中である。京都大学のリウマチ疾患時系列データを利用し、京都大学と大阪市立大学の研究者に医学的アドバイスを受け、数理モデルの開発は大阪電気通信大学の研究者と共同で行っている。ほぼモデルの開発は終了し、医学的意義を検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症対応のため1年間ほとんど研究を実施することができなかった。
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