研究課題
医学・薬学・健康科学の分野では「科学的根拠に基づいた医療(EBM)」が浸透しつつあるが、その一方で、統計的解釈の間違いや統計手法を誤用した学術論文報告が後を絶たない。本研究の目的は、① 医学研究における統計的側面の質を高めるために、臨床医学研究と基礎医学研究のための生物統計報告ガイダンスを作成すること、② そのガイダンスをもとに、医療系学問の専門性に応じた統計教育のあり方・方法をまとめ、学部・大学院の生物統計教育ツール・カリキュラムを開発することである。生物統計報告ガイダンスを適切に運用すれば、論文報告の統計的な誤りを大幅に低減でき、正しい医療の発展につながる。最終年度は、基礎医学研究の統計手法・研究デザイン調査の総括及び生物統計報告ガイダンス作成に取り組んだ。また、臨床医学研究と基礎医学研究で用いられる統計手法の違いを精査し、医療系学部における統計教育のシラバス案を作成した。具体的には、基礎医学雑誌Natureの原著論文、レター、総説等の648論文からから統計手法を調査し、使用頻度が高い統計手法、誤りやすい手法等を整理した。また、臨床医学研究と基礎医学研究で用いられる統計手法を明らかにし、医学研究の計画・解析・報告のための生物統計報告ガイダンス案及び統計教育のシラバス案を作成した。また、これまでの研究を総括した。
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医学のあゆみ
巻: 280 ページ: 442-450
Clin Transl Radiat Oncol .
巻: 32 ページ: 69-75
10.1016/j.ctro.2021.11.002.