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2020 年度 実施状況報告書

強度と勾配を統制した磁場条件による造骨細胞系への影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 19K12875
研究機関独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所

研究代表者

山口 さち子  独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 環境計測研究グループ, 上席研究員 (30548954)

研究分担者 赤羽 学  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00418873) [辞退]
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード静磁界 / 磁界勾配 / 骨芽細胞
研究実績の概要

本研究では、強度と勾配を統制した磁場環境の下で実験を行うことで、造骨細胞系の磁場影響についてこれら二要素の整理を目的とするものである。2020年度は、磁場条件での細胞の培養を実施した。
非磁性化したCO2インキュベーター内において、SmCo磁石上にて96 well plate上に5.0×103 cell/wellで調整した播種したMC3T3細胞を96時間培養した。培養にはa-MEMに、Ascorbic acid、Hydrocortisone、b-glycerophosphateを添加した分化誘導培地を用いた。培養細胞におけるばく露磁束密度は34-274 mT (平均:177 ± 82 mT)、磁気力は0.06-4.14 T2/m (平均:1.84 ± 1.28 T2/m)であった。培養96時間後にCell counting kit-8を用いて細胞増殖を吸光度法により測定した。その結果、磁界ばく露群のコントロール群(通常インキュベーターで培養)に対する吸光度の相対値は123.2±28.6%と有意に上昇しており(p<0.001, t-test, repeated 3 times)、細胞増殖の向上効果が観察された。磁束密度との相関については、Pearsonの相関係数は0.17で統計的有意差は確認されたものの(p<0.01)非常に弱い相関関係であることが示された。磁気力についても同様の傾向であった。このことから、磁束密度及び磁気力との関連については、このばく露の範囲内では強度依存性はみられないと考えられる。現在、培養上清中の骨分化の指標であるALP及びオステオカルシンについて解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ばく露条件の設定等は問題なく実施できている。

今後の研究の推進方策

2021年度は実験を継続し、培養上清中のALP及びオステオカルシンについて定量を行う。
また、長期間(10-14日)の培養を実施することで実際の骨分化への影響について検討する。別の磁束密度における効果を測定するため、3 T MRI装置など磁束密度の均一度が高い場所と勾配が急峻な場所がある場にて実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響により6月まで実験が出来なかったため、残額が生じた。
ALP及びオステオカルシンの定量用キットを購入する。

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公開日: 2021-12-27  

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