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2019 年度 実施状況報告書

加齢による嚥下機能低下の定量的評価技術に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K12887
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

遠藤 博史  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (20356603)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード嚥下 / 高齢者 / 筋電図 / 喉頭挙上
研究実績の概要

本研究の目的は、嚥下プロセス中の咽頭期に着目し、嚥下の開始から喉頭蓋反転までの時間差を非侵襲的に計測することで、加齢による嚥下機能低下の推定手法を開発することである。初年度である本年度は、筋活動と甲状軟骨運動との関係を検討するために、嚥下機能に障害のない若年成人と前期高齢者各30人(各群とも男性15人、女性15人)を対象に嚥下時の筋電図と甲状軟骨運動の比較を行った(若年群:28 ± 6才、高齢群:70 ± 2才)。筋活動は、表面筋電図法で計測した左右の舌骨上筋群、舌骨下筋群の筋活動の時間因子を比較した。喉頭挙上に関しては、小型圧力センサ縦に並べた接触式の甲状軟骨運動計測センサを制作し、喉頭隆起の挙上運動に伴う接触圧変化から甲状軟骨運動の開始タイミングと喉頭挙上速度を比較した。嚥下機能に関連する評価値として、口腔機能低下症の検査項目から嚥下スクリーニング検査(EAT-10質問紙アンケート日本語版)と舌圧測定(JMS舌圧測定器)も行った。
解析の結果、高齢者群で有意な舌圧の低下が観測されたが、EAT-10のスコアからは両群ともに自覚できる嚥下機能の問題は顕在化していないことが確認された。喉頭挙上速度に関して、年齢による速度差は観測されなかった。筋活動時間に関し、先行研究において高齢者群で筋活動時間が延長することが報告されていたが、本実験では高齢者群の筋活動時間の延長は顕著ではなかった。筋活動の開始から喉頭挙上の開始までの時間差に、年齢による有意な差は観測されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験はほぼ順調に進んでいるが、計測対象とした高齢者群がシルバー人材センターからの募集であったため、若年者と比較して嚥下機能に差がほとんどない高齢者群であった可能性があり、被験者の選定を考える必要があると考えられた。

今後の研究の推進方策

計測データのS/Nを良くするために、喉頭挙上を計測するセンサの安定性と、筋電図の計測位置の検討を進める必要がある。

次年度使用額が生じた理由

データ解析に時間がかかり、センサの改良と当初想定していた人数の被験者実験を行うことができなかったために、予算の一部を次年度使用とした。当該作業を次年度に行うことで使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 喉頭挙上速度検出の試みと 加齢による影響について2019

    • 著者名/発表者名
      遠藤博史、近井学、井野秀一、三輪洋靖、大森信行
    • 学会等名
      第25回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会

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公開日: 2021-01-27  

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