研究課題/領域番号 |
19K12896
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
徳井 亜加根 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 学院(研究所併任), 義肢装具士 (30627683)
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研究分担者 |
櫛橋 康博 日本工業大学, 先進工学部, 准教授 (40247218)
岡田 充弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40309571)
高嶋 孝倫 長野保健医療大学, 地域保健医療研究センター, 教授 (00425654)
塩田 琴美 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (50453486)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 装具 / 関節リウマチ / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
前年度までに,ダイナミックスプリントに伸展補助力を計測するセンサーを取り付け,得られた計測データを有線でパソコンに転送し,パソコン上の画面で可視化するシステムを開発してきた.しかし,有線でのデータ転送を行う必要があるため,装具を装着した患者が日常生活でどのような運動を実施しているかを計測することはできず,使用場面はリハビリテーション中の運動評価飲みに限られていた. そこで本年度は,システムの改良版として,持ち歩き可能なマイコン(Raspberry pi zero WH)上にデータ収集と可視化の機能を再構築したシステムを考案した.マイコンは無線接続されており,スマートフォンで可視化データを見ることができる.また,蓄積された計測データはクラウド上の所定のフォルダに自動的にファイル転送されるようになっている.よって,装具療法において,装具使用中の患者の回復の度合いが客観的に示されるようになったほか,無線システムの構築により,装具装着中でWi-fi環境さえ整っていれば,手指の運動データをすべてリモートで取得できる.データを取得できるのは医療職に限らず,患者自身もスマートフォンを使用することでデータ取得できるため,リハビリテーションに対するモチベーションが向上することも期待できる. 従来は,療法士等の医療専門職の経験値に基づいて装具の調整,運動評価が行われてきたが,装具を装着するだけで客観的なデータを得られるようになる.また,今回はダイナミックスプリントによるシステムではあるが,本システムは他の装具にも応用でき,今後客観的データを利用した義肢装具の研究にも役立つものと考えられる. コロナ禍により,術後後療法を行う患者に使用しての検証はできていないが,実施可能な状況になり次第,検証作業を行うこととしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症により,病院での術後後療法を必要とする関節リウマチ患者に本システムにおける装具を装着した検証が行えなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,無線システムを手指の術後患者でもアプリケーションソフトとして操作しやすいように,ボタンの配置等について改良する.病院での計測再開が可能となれば,研究計画どおり検証を開始する.もし,実際の患者での検証が無理な場合でも,他の装具に応用できるようなシステムづくりに努める.
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次年度使用額が生じた理由 |
術後関節リウマチ患者に対して,考案したシステムを使用し,検証を行う予定であったが,新型コロナ感染症の影響により検証を実施できなかった.そのため,検証に必要な経費を使用しておらず、必要なタブレット等も試作に必要なものだけで、検証に必要な台数はまだ購入していない.
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