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2019 年度 実施状況報告書

認知症高齢者への生活・自立・介護のための空間的配慮とその評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K12897
研究機関兵庫県立福祉のまちづくり研究所

研究代表者

大森 清博  兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 研究員 (90426536)

研究分担者 福井 克也  兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 特別研究員 (90809120)
北川 博巳  兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 主任研究員 (10257967)
相良 二朗  神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (10330490)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード認知症 / 在宅生活支援 / 促しによる行動変容 / 床走行リフト / 排泄介助
研究実績の概要

研究代表者の先行研究において市販の電子タグを用いて対象者の動作を検知して声かけする促しシステムを提案しているが、長期間の評価試験中に制御アプリが不定期に強制終了する課題があった。そこで、本年度は、より安価で安定したシステムを構築するとともにネットワーク対応を進めるため、制御端末をシングルボードコンピュータに変更した。試作したシステムを研究代表者の所属機関内にあるモデルハウスに設置して安定して動作することを確かめた。
次に、促しシステムで検証した促し場面やその要素技術を抽出し、1センサ1促しとなる簡便な促しモジュールの開発を進めた。試作したモジュールに関して認知症の当事者団体で音声や使い勝手に関する聞き取りを行った結果、音量は問題ない、誰から促されるか(誰が録音するか)によって反応などが変わる可能性がある、本人だけでなく周りにいる人の気づきにもなり便利、いった意見が得られた。さらに、これらのモジュールを組み合わせて「光と音声で促しを行うホワイトボード」の開発を行った。
上記の開発と並行して、福祉用具の効果的な導入を住環境の観点から検証するアプローチとして、実験室内に在宅を想定したトイレ空間を再現し、4種類の床走行リフトを用いて在宅の環境で取り回し可能な空間的制約や配慮事項を検証した。その結果、車椅子に比べて大きなスペースを要しないので0.75坪のトイレでも利用可能であること、扉の位置によって介助者が入室しづらい機種もあること、手すりとの接触が多くの場面で見られることなどを確かめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究実施計画では在宅支援ニーズ調査を予定していたが、システム開発を確実に進めていくため、IoTを活用した自立支援システムの開発および福祉用具の空間利用評価試験を先行的に実施した。自立支援システム開発では試作した段階で当事者団体への聞き取りを行い、空間利用評価試験では床走行リフトの選定時に研究代表者の所属機関にある福祉用具展示ホールと連携して選定前の予備調査を実施することで、現場のニーズに合わせた研究開発を進められた。

今後の研究の推進方策

次年度以降は、開発した「光と音声で促しを行うホワイトボード」の評価試験、およびこれを発展させてクラウドを活用してデータを蓄積するとともに、本人だけでなく支援者にも情報共有等のフィードバック可能なシステムの開発を進める。特に評価試験については認知症者やその家族に協力を依頼することを想定し、新型コロナ禍に配慮した試験方法で進めることとする。また、支援機器の空間評価試験については、トイレ関係に加えて立ち上がり支援関係、移乗関係などの支援機器についても、実験室内に間取りを再現して取り回しに必要な空間や保管用に必要な空間のサイズ等を計測し、介護施設や住宅の設計に必要な要件を整理する。さらに、当事者団体等を対象に認知症者の介護現場における支援機器等の活用状況に関する調査を実施し、必要とされる機器のトレンドを明らかにし、システム開発に反映させる。これらの研究開発で得られた成果を取りまとめて成果の発表を行い、地方自治体の福祉のまちづくり条例や指針に資する提案につなげていく。

備考

令和元年度兵庫県立福祉のまちづくり研究所報告集(2020年7月公開予定)の中で、本研究の成果を含む研究報告を公開予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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