研究実績の概要 |
本研究、「医療の適正に貢献するユニバーサル医薬品包装の開発」のまとめの年度に当たり、計画としていた「易開封性と落下防止機能を備えた新規ブリスター包装」の試験を完了し、その結果をまとめた。官能試験によって、使用者の実際の使用状況が確認でき、手に障害がある場合においても使いやすいことが確認できた。内容は実際には海外から依頼があった講演、国内のシンポジウムなどにて発表したのちに、英文の論文としてまとめた(Kiyomi Sadamoto, Mikio Murata, Masaho Hayashi, Hiroyuki Ura, Kiyoshi Kubota: Evaluation of newly designed blister packs for easier handling to prevent pill dropping Patient Preference and Adherence 2022.16 179-188)論文については投稿後も海外を含む閲覧者から幾つかの高い評価を得た。 計画した他の項目「小児の誤使用を避け高齢者に使用可能なPTP包装の開発」についても、高齢者、関節リウマチ患者、小児を対象に試験を行なった。実際にPTPのアルミの厚さを変えることで取り出しやすさが変化する事が確認できた。難しいとされていたCRSF(Child Resistance & Senior Friendly)包装が実際に可能であることを実証することができた。官能試験と危機で想定した客観的な数字を検討して論文としてまとめている。 高齢者の医薬品包装誤飲についての早期発見については、実際に幾つかの工夫をした包装においてファントムを用いて単純XP画像を映し出し、検証した。単純XP一定の画像を映し出すことが可能であることについては確認し、共同研究者が論文化した。今後さらに継続しさらに効果がある包装の検討予定である。 今回の研究期間の間に様々な観点から医療の適正に貢献するユニバーサルデザイン医薬品包装の開発について、前進させることができたと考えられる。
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