研究課題/領域番号 |
19K12918
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小林 吉之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (00409682)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 歩行 / 高齢者 / 転倒予防 / 日常生活 / 行動特徴 / 加速度センサ / ウェアラブルセンサ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,将来的な転倒の発生件数の減少を目指し,日常生活中の歩行動作全体としての行動やその時の生理指標の再現性(歩行の長期的な再現性)から,個々人の歩行中の転倒リスクを評価・フィードバックできる仕組みを開発することである. 本年度は,この目標を達成するために掲げた(課題1)近年普及が進むセンサシステムで計測できる『日常生活中の歩行動作全体としての行動やその時の生理指標』と転倒との関連を解明に取り組んだ.具体的には,バイオメカニクスの手法を用いて,日常生活中の歩行動作や行動,その時の生理指標といった歩行の長期的な再現性と転倒との関連の解明を試みた. 本年度は,上半期にセンサシステムでを用意し,下半期に20名の被験者(50代以上の中高年者.そのうち半数は過去1年間に転倒経験がある者)の計測を実施する予定であった.しかし2020年初頭から蔓延したコロナウィルスのため,2名を実施した段階で延期となっている. 計測した2名のデータを分析した結果,用意したセンサシステムで日常生活中の歩行動作全体としての行動やその時の生理指標を計測できていることが確認され,それぞれの特徴が確認できた.また,先行研究で用いられている歩行の再現性に関する複数の指標についても実装し,今後より多面的な分析ができるよう準備をしている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計測のためのセンサシステムの準備などは順調にすすんだが,コロナウィルスによる世界規模のパンデミックによって,予定されていた計測が延期となった. 今夏には再開したいと考えているが,現時点ではまだ見通しは立っていない.
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今後の研究の推進方策 |
以下の2つの方針を考えている. 1)計測再開のための方策検討 計測担当者及び被験者双方が共に罹患しない、させないための方策を検討している. 具体的には,アルコールなどでの殺菌の手順や,飛沫拡散防止のためのビニールシートなどの導入の必要性などを検討し,早期の計測再開を目指す. 2)既存データの利活用の検討 本研究で着目する日常生活中のデータではないが,産総研が持つ歩行データベースに登録されたデータを分析し,本研究の目的である転倒リスク評価・フィードバック装置の効率的な開発につなげる.
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年初頭に実施予定であった計測や出張が,コロナ禍によって延期となったため,旅費や謝金に大幅な未使用額が出た.計測についてはコロナ禍がある程度落ち着いたら再開する方針である.
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備考 |
AIST 歩行属性判定システムHOLMES 2019は,本研究で日常生活中の歩行データ計測のために用いているものである.本研究ではこのシステムに機能を追加して,転倒リスクを評価できるようにする予定である.
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