研究課題/領域番号 |
19K12934
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
高橋 厚 (タカハシアダム) 東洋大学, 文学部, 助教 (70817395)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自然哲学 / スコラ哲学 / イブン・ルシュド / アヴェロエス / アフロディシアスのアレクサンドロス / アリストテレス / トマス・アクィナス |
研究成果の概要 |
本研究は、西欧自然哲学の成立・展開にたいしてイスラーム哲学はいかなる影響を与えたのかという問いの解明を試みた。特に十二世紀アラビアの哲学者イブン・ルシュド(アヴェロエス)が、アリストテレスの著作に基づきながらも、天体の魂やその摂理的働きを強調する思想を展開したこと、またその思想をスコラ学者が批判的に受容するなかで十三世紀以降の自然哲学が展開したことを明らかにした。さらに、アヴェロエスの思想の成立には古代末期のアフロディシアスのアレクサンドロスの思想が前提となっており、その宇宙論がアリストテレス主義の主調を規定していることも明らかとなった。
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自由記述の分野 |
哲学史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
十二世紀から十三世紀にイスラム世界からギリシア語やアラビア語の文献がラテン語訳されて、それが西欧中世の文化的隆盛に繋がったことはこれまで指摘されてきた(「十二世紀ルネサンス」論)。だが、実際に訳されたテクストがどのように読まれ、新たな世界像の形成に寄与したのかの具体的な姿が既存の研究では十分に明らかにはされてこなかった。本研究は、現代では対立面が強調されがちなイスラム世界と西欧との間で密接な文化的な影響関係が存在しており、後者の科学の成立にとって前者の哲学的思想が寄与したことを明らかにできた点で、学術的および社会的意義も有していると考えている。
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