筆者はコペンハーゲン大学のキルケゴールリサ-チセンターで研究して以来、膨大な文献調査を実施してきた。「デンマーク黄金時代」の研究は、現在、キルケゴールの再評価とともに英米圏やラテンアメリカ、アジアなど国際的な広がりを見せている。我が国で本格的にこの分野に取り組む研究者がいないため、本研究は、デンマーク黄金時代研究の端緒を開くとともに、キルケゴール研究の大胆な刷新が期待される。本研究の学術的意義としては、キルケゴール研究に留まらず、ヘーゲル哲学の新たな影響史研究にも寄与し、さらにデンマークとの文化交流にも寄与すると期待される。
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