研究課題/領域番号 |
19K12941
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
小城 拓理 愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (10733040)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 社会契約論 / ロック / フィルマー / 同意 / 多数決 / マイノリティ / マジョリティ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は日本の現状を踏まえた移民の倫理学を構築することである。この目的を達成するため昨年度は反契約論の代表としてフィルマーとそれに対するロックの反論を研究した。フィルマーの契約論批判は二つに集約される。第一に歴史的批判である。これは歴史上契約など存在しないというものである。第二に規範的批判である。これは契約論者が採る多数決が不当だというものである。つまり、人間の生来の自由と平等を前提にするならば、少数派であるというだけで多数派に服従しなければならないのは正当化できないというものである。これに対してロックは第一の批判に関しては契約論がそもそも国家の成り立ちを歴史的に説明するものではなく、規範的に正当化するものであることを示した。第二の批判に関してはロックは自然状態の人間の同意内容に多数者への服従義務を盛り込むことで多数決を正当化した。以上の研究によって本研究は移民の倫理学において契約論を規範理論として用いることのみならず、マイノリティの地位の保全について重要な示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献研究は順調であるが、コロナ禍のため海外及び国内研究出張ができなかったことから、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
文献研究はこれまでと同様遂行していく。他方、コロナ禍が終息しつつあるとはいえ、海外及び国内研究出張の見通しは不透明であるため、オンラインを活用するなど進捗を図っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により国内外の出張ができなかったため次年度使用額が生じた。今後はコロナ禍の終息を見つつ、出張等に使用する予定である。
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