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2019 年度 実施状況報告書

予測誤差最小化理論における知覚と認知の関係の探求

研究課題

研究課題/領域番号 19K12942
研究機関名古屋外国語大学

研究代表者

佐藤 亮司  名古屋外国語大学, 現代国際学部, 講師 (90815466)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード予測誤差最小化理論 / 知覚 / 認知 / 思考 / 知覚の哲学
研究実績の概要

本研究の中心的課題は心に関する最新の科学的な理論である予測誤差最小化理論の観点から、知覚と思考(をはじめとする高次認知)の本性を明らかにするものである。初年度である本年度は、知覚と思考について、哲学や神経科学をはじめとする様々な学問から領域横断的に知見を収集し、知覚の本性を明らかにすることを試みた。とりわけ「無意識的知覚」に注目することで、知覚の本性の理解を推進することを目指した。「無意識的知覚」についての論争においては、哲学者や神経科学者などの分野の研究者が参加しており、そのため様々な分野による知覚についての見解が集積されているからである。
具体的な研究活動、実績としては、宮園健吾広島大学准教授(現北海道大学准教授)を研究代表者とする、基盤研究(B)『行為者性の概念を拡張する:認知、行動、行為に関する国際的研究拠点の構築』(18H00605)との共催で、国際ワークショップTokyo Workshop on Agency & Rationality 2019をオーガナイズし、また自身も口頭発表を行なった。当該ワークショップは12月13日から15日の三日間にわたるものであり、初日に国内外から研究者を招いて無意識的視覚についての討議を行い、自身は予測誤差最小化理論の観点から無意識視覚を理解することを試みる発表を行なった。また、これまでの研究成果の一部をまとめて、名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンター発行の『Artes MUNDI』に論文「無意識の心は存在するか―視覚を例にして」を発表した(2020年3月発行)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画遂行の1年目と2年目においては、予測誤差最小化理論において「知覚」や「思考」 がどのように位置付けられるかという問題について取り組むという計画であり、実際に無意識的知覚というトピックの発見と研究を通じて、効率よく知見を集めて、研究を進めることができた。国際的なワークショップの開催や発表、また論文の発表という一定の成果も残すこともできた。このような点から、本研究はおおむね計画通り進んでいると言って良いだろう。

今後の研究の推進方策

初年度の成果は、知覚を中心に据えたものであったが、本研究においては「思考」も重要なトピックである。研究計画遂行2年目においては「思考」に焦点を絞って研究を行っていく。この研究の採択後に予測誤差最小化理論の観点から認知をとらえる研究が公刊されてきているので、それらの研究成果を検討していく。2020年度は、学会への参加やワークショップなどの開催は難しい状況にあるため、論文の執筆、公刊を中心に活動していく。

次年度使用額が生じた理由

初年度購入予定のパーソナルコンピューターの購入が必要なくなったために差額が生じた。来年度以降の物品費に回される予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 無意識の心は存在するか―視覚を例にして2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 亮司
    • 雑誌名

      Artes MUNDI

      巻: 5 ページ: 33-48

  • [学会発表] “How could there be unconscious perception?”2019

    • 著者名/発表者名
      Ryoji Sato
    • 学会等名
      Tokyo Workshop on Agency & Rationality 2019
  • [学会・シンポジウム開催] Tokyo Workshop on Agency & Rationality 20192019

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公開日: 2021-01-27  

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