• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

企業不祥事に関する組織的徳に基づいた評価枠組みの提案

研究課題

研究課題/領域番号 19K12944
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

杉本 俊介  慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (80755819)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード徳 / 徳倫理学 / 懐徳堂 / 中井竹山 / 中井履軒
研究実績の概要

今年度は日本における徳倫理学の可能性を追求した。前年度に査読誌に掲載した「経営理念に表れる日本企業の徳 --- テキストマイニングを用いて ---」では、西洋の研究ばかり参照してきた徳倫理学の先行研究は、日本や東洋に固有の徳を見過ごしてきた可能性はないだろうか、と問い、その可能性を追求した。そして、日本固有の徳の可能性として、徳川時代の「徳の意味を深く心に省みること(懐徳)」を目指す大阪商人の学校「懐徳堂」に言及した。今年度は実際に、懐徳堂儒学から現代の徳倫理学研究に対して新たな知見を提示しようと試みた。すでに中国の儒学を現代の徳倫理学と比較する試みは数多くなされている。しかし、日本の儒学との比較はなされていない。そこで、懐徳堂儒学、特に中井竹山・中井履軒の思想と比較した。その結果、中井竹山が注目する「利」は、西洋哲学の中には見られない徳目であることを発見した。一般に儒学において「利」は悪徳に数えられてきた。江戸時代の町人文化という共同体に見出される徳目として注目されてよいかもしれない。また中井履軒の「孝」それ自体は、孝弟として儒学の徳目であるが、履軒の「孝」の動機主義的性格はそれ自体独自のものかもしれないことを示した。さらに中井履軒のような徳の外在主義的理解は現代の徳倫理学に見直しを迫るだろうと論じた。以上の成果は、「日本における徳の諸相──国文学と倫理学の対話を通じて」というワークショップをオーガナイズして、「懐徳堂から学ぶ日本の徳倫理学」として発表し、国文学者や倫理学者と意見交換した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 懐徳堂から学ぶ日本の徳倫理学2024

    • 著者名/発表者名
      杉本俊介
    • 学会等名
      ワークショップ「日本における徳の諸相──国文学と倫理学の対話を通じて」

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi