研究課題/領域番号 |
19K12947
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川本 佳苗 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携講師 (40781688)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 瞑想 / 上座部仏教 / テーラワーダ仏教 / ミャンマー / パオ / マインドフルネス / アビダンマ / 清浄道論 |
研究実績の概要 |
2019年度では、フィールド調査2回と現時点での成果報告発表(国際会議1件、国内学会1件、国内研究会1件)を実際した。 (1) 7月17日、ライデン(オランダ)で開催されたInternational Convention of Asia Scholars (ICAS) で "Happiness of Concentration:On the Japanese Practitioners of Pa-Auk Buddhist Meditation Derived from Myanmar"を口頭発表した。 (2) 8月5日~25日、ミャンマーで調査を行った。ヤンゴンの国際上座部宣教大学では上座部仏教圏九社との打合せとを行い、ピンウールウィンではパオ僧院で参与観察するとともに、パオ瞑想指導者2名およびミャンマー人修行者13名を対象としてインタビュー調査を行った。また、パオ仏教瞑想法の基盤となるパーリ語仏教文献『アビダンマ』とそのミャンマー語注釈書や、パオ瞑想法の創始者であるパオサヤドーの著書などの参考文献を収集した。26~31日は、シンガポールのパオ系列僧院で参与観察するとともに指導者1名と修行者1名にインタビュー調査を行った。 (3) 9月14日、日本宗教学会第78回学術大会で「ミャンマーのパオ仏教瞑想を実践する日本人の体験と宗教的効果 」を口頭発表した。 (4)12月7日、宗教社会学の会研究会で「ミャンマーのパオ仏教瞑想を実践する日本人の宗教観」を口頭発表した。 (5) 2019年1月23~29日、シンガポールのパオ系列僧院で参与観察するとともに指導者1名にインタビュー調査を行った。また、現地のミャンマー人とインタビュー内容の文字起こしおよび翻訳作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビュー調査に関しては、予定していた以上に多数の対象者にインタビューを行うことができたため、研究計画以上に進展したといえる。しかし、インタビュー調査に時間を費やしすぎてしまい、ミャンマー滞在中に収集したパオ瞑想に関するパーリ語仏教文献を現地の上座部仏教者である研究者と精読・翻訳作業を進める時間を十分に取れなかった。そのため、2019年2月上旬に2週間のミャンマーへの再渡航を計画していたが、新型コロナウィルスの問題で渡航を断念せざるを得なかった。コロナウィルスの影響による渡航制限の問題は依然として深刻であるため、2020年度におけるミャンマー現地調査自体が可能であるかどうかを考慮しつつ、研究計画の変更を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」においても述べたとおり、新型コロナウィルス拡大の危険により、2020年8月に予定しているミャンマーでの現地調査を延期することを検討している。なるべく2020年度内に行うために、9月~2月までに実施させたい。渡航までは、前年度に進捗の遅れていたパーリ語仏教文献を可能な範囲で単独で再調査し翻訳作業を進める。
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