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2021 年度 実施状況報告書

食用・薬用植物への信仰に見られる北アフリカの多層文化構造と食の新たな価値

研究課題

研究課題/領域番号 19K12954
研究機関筑波大学

研究代表者

喜田川 たまき (渡邉たまき)  筑波大学, 地中海・北アフリカ研究センター, 助教 (50721685)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード植物の象徴性 / 食と薬の宗教的意味 / 文化の多層性
研究実績の概要

1. 資料収集:国内で入手可能な文献を収集し調査を進めた。昨年度に引き続き、調査においてみられるオリーブなどの食薬植物をめぐる慣習を、食の体験的な意味、祝祭性、ランドスケープ理論の3点から俯瞰するため、民俗学、人類学、文化地理学の資料を収集し、北アフリカの植物をめぐる信仰・宗教的慣習への考察を深めた。特に南部チュニジアで実施されている近年創出されたオリーブ収穫祭においてみられる伝統的な農業祭祀の空間理解、場所の体験についての研究成果は国際学術雑誌Sustainabilityに掲載された。
2. 現地調査:令和2年度に引き続き、令和3年度も新型コロナウィルス感染症の世界的拡大により、調査対象地であるチュニジア、モロッコ、アルジェリアへの渡航が制限されていたため、現地調査は実施できなかった。昨年度から取り組んでいたアルジェリアでの新規調査に向けた国立歴史人類学研究所(CNRPAH)との合同調査を行うための協定を結んだ。また、現地調査で得られたオリーブの宗教的価値の市場における導入可能性を図るため、米国カリフォルニア州においてオリーブオイル消費者を対象にしたインターネットによるアンケート調査を行った。それにより伝統的オリーブ文化、宗教情報にはオリーブオイルの高付加価値化を実現する可能性があることが示唆された。
3. 調査データ分析、発表:昨年までの現地調査で得られた情報を整理するとともに分析を行い、The Asian Conference on Ethics, Religion and Philosophy (ACERP2022)において発表した。また研究成果の国際学術誌Foodsへの投稿準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

令和3年度は昨年度の遅れを取り戻すべく、モロッコ南部とアルジェリアでの調査を行う予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大が収束せず、北アフリカ各国やトランジット地である欧州各国などへの立ち入りが引き続き制限されていたため調査実施が困難な状況であった。令和元年度の現地調査や文献資料に基づいて成果発表等は行っているものの、現地調査計画に大幅な遅れがみられる。

今後の研究の推進方策

令和3年度に実施予定であったモロッコ南部とアルジェリアでの調査を計画していたが、研究代表者の出産予定により、当面現地調査は困難であることが予想される。期間を延長することを考慮にいれながら研究を進める必要がある。
文献資料調査および成果発表については、これまでどおり進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染拡大により現地調査が実施されなかったため、今年度の旅費に大幅な余剰が出た。次年度以降における現地調査と論文投稿料等に充当する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The Experience of Place in the Annual Festival Held in an Amazigh Village in Southern Tunisia2021

    • 著者名/発表者名
      Tamaki Kitagawa
    • 雑誌名

      Sustainability

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.3390/su13105479

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Religious Meanings in the Symbolic Functions of Food: Tunisia and Japan as Case Studies2021

    • 著者名/発表者名
      Tamaki Kitagawa
    • 学会等名
      The Asian Conference on Ethics, Religion & Philosophy (ACERP2022)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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