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2019 年度 実施状況報告書

奄美大島南部におけるノロ祭祀継承の現代的展開ー神社との相互交渉に注目してー

研究課題

研究課題/領域番号 19K12964
研究機関鹿児島工業高等専門学校

研究代表者

町 泰樹  鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科, 講師 (30725693)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードノロ / 奄美 / 加計呂麻島 / 継承 / 文化資源
研究実績の概要

2019年度は、先行研究の整理として、松原武実・高橋一郎『加計呂麻島ノロ祭祀調査報告(旧実久村編)』(南日本文化研究所、1998年)および松原武実『加計呂麻島ノロ祭祀調査報告(旧鎮西村編)』(南日本文化研究所、1998年)をもとに、加計呂麻島の各集落における、1990年代後半におけるノロ祭祀の継承状況について整理を行った。
その後、夏季休業期間を利用して、旧実久村地域のフィールドワークを実施した。当初の予定では、今年度で旧実久村地域の全集落のフィールドワークを行う予定であったが、以下の事情から、全集落のフィールドワークは実施していない。第一に、先行研究を整理するなかで、当初の見込み以上に、ノロ祭祀が断絶している状況が明らかになった。そのため、全集落のフィールドワークを実施するよりも、継承の可能性が高い集落のフィールドワークを優先することにした。第二に、西安室集落において、ノロ祭祀の継承はすでに断絶していながらも、集落の有志によってアシャゲが再建された事例を知り、その調査を優先させたためである。
上記の事例については、現在調査中であり、詳細を報告することができないが、次年度以降の調査において、アシャゲ再建の背景を把握したいと考えている。また、似たような事例が他の集落においてもみられないか、確認を進めていきたい。それによって、ノロ祭祀に関わる場所や記憶、知識が、宗教的な文脈を超えて文化資源として活用されている実態を明らかにできると見込んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、2018年度中に松原武実・高橋一郎『加計呂麻島ノロ祭祀調査報告(旧実久村編)』(南日本文化研究所、1998年)および松原武実『加計呂麻島ノロ祭祀調査報告(旧鎮西村編)』(南日本文化研究所、1998年)の資料整理を終了する予定であったが、それが完了しておらず、2019年度の前半までずれ込んでしまったため。その結果、調査すべき集落の選定等を十分に行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

「ノロ祭祀の継承」をメインテーマとしてきたが、西安室集落の事例を踏まえて、単に継承か断絶か、ではなく、ノロ祭祀に関連する場所や記憶が、地域おこしや観光等の文脈で、文化資源として活用されている事例に注目する。
また、既存の先行研究との比較は有効であると考えられるため、上記の事例調査の合間をぬって、各集落のノロ祭祀関連施設の維持管理状況については、引き続き進めていくこととする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 奄美群島の民俗宗教に関する覚書―奄美大島南部のノロ祭祀調査に向けて―2019

    • 著者名/発表者名
      町泰樹
    • 学会等名
      鹿児島哲学会

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公開日: 2021-01-27  

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