研究課題/領域番号 |
19K12964
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研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
町 泰樹 鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (30725693)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ノロ / 奄美 / 継承 / 文化資源 |
研究実績の概要 |
当初の計画では、2020年度は、前年度までの調査結果をもとにノロ祭祀の継承をいくつかにタイプ分けし、それらのタイプを最もよく表している集落の事例について重点調査を実施する予定であった。しかし、前年度に、当初の見込み以上にノロ祭祀が断絶している状況が明らかとなったたため、今年度は加計呂麻島西安室集落におけるアシャゲの再建について研究を進めることとしていた。 しかしながら、新型コロナウィルスの感染拡大によって、今年度は現地調査が全くできなかった。そのため、今年度の現地調査は断念し、既存研究の収集・整理、およびもともと計画していた地元新聞紙の収集を行った。とはいえ、前期中は勤務先の遠隔授業等の対応に追われ、こうした研究手法の転換を検討できたのが夏休み期間に入ってからであったため、既存研究については収集したままで、十分な整理・分析ができていない状況である。また、地元新聞紙については、鹿児島市内にある鹿児島県立図書館本館にて過去の記事をマイクロフィルム等で閲覧しているが、奄美分館でしか閲覧できない発行年の記事もあり、こちらについても十分に進んでいるとは言えない状況である。 とはいえ、既存研究の収集と整理は必須の課題であるため、継続し、次年度以降は体系的なレビューを行っていきたい。地元新聞紙の収集については、県立図書館所蔵分をまずは閲覧し、現地調査が可能になった時に奄美分館所蔵分を収集していく。新型コロナウィルスの感染状況に応じてではあるが、現地調査実施の可能性も常に検討しておきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、加計呂麻島西安室集落のアシャゲ再建の事例について、現地の関係者からの聞き取り調査を中心とした現地調査を実施する予定であった。しかしながら、新型コロナウィルスの感染拡大によって、当初の計画(現地調査)を実施できなかった。また、とりわけ前期中は勤務校において遠隔授業等への対応に追われ、本研究の遂行が後手に回らざるをえなかったことから、研究進捗については「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に研究を十分に進められなかった最大の要因は、新型コロナウィルスの感染拡大にあるといってよい。その状況に対応し、現地調査を避けて研究を実施するために、ノロ祭祀に関する既存研究の収集を行っている。今年度は収集のみで、整理して全体的なレビューを行うことまではできなかった。そのため、次年度以降は収集した既存研究のレビューを実施することとしたい。 また、新型コロナウィルスの感染状況をみながら現地調査実施の可能性も検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大により、現地調査を実施できず、また、学会等もオンラインになったため、旅費による支出が出なくなり、次年度使用額が生じた。 次年度使用額については、新型コロナウィルスの流行状況によるが、現地調査を再開した際に、今年度に実施できなかった調査の分、次年度の現地調査期間を長めに取るなどして対応したいと考えており、その費用に用いる予定である。
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