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2023 年度 実績報告書

ヴォーリズの諸活動にみる音楽の諸相―日本の教養としての音楽文化を考える―

研究課題

研究課題/領域番号 19K12988
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

齊藤 紀子  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (60769735)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードW. M. ヴォーリズ / 音楽 / リベラル・アーツ / 教養 / O. ミーズナー
研究実績の概要

米国から英語科教員として来日したW. M. ヴォーリズが日本で行った諸活動のうち教育関連の事業に焦点をあて、音楽のありようとその背景を探った。その目的は、洋風建築設計者として築かれてきたヴォーリズ研究に、日本人の生活面・文化面での教化を計ったヴォーリズ像を提示することにある。
調査①ヴォーリズの様々な活動の記録資料における音楽の位置づけと演奏実践の具体事例については、該当する事例が多岐にわたることから、本課題で一定の分量を得られたものの、発見できていないものも残る可能性がある。調査②国内外に向けて報告されたヴォーリズの活動と音楽実践については、定期刊行物のバックナンバーの調査を予定通りに実施することができた。調査③アメリカでの学習・生活経験と来日後の日米の教育や文化をめぐる情報収集は、前者(ヴォーリズ自身の経験)がヴォーリズの諸活動の構想に影響したことは明らかであるのに対し、後者(来日後の情報収集)については、米国や日本の同時代の特定の教育機関と密接な関係や関連があったと結論づけるのは早急であると判断せざるを得ない。むしろ、何か一つの明白な教育モデルがあったというよりは、同時代の情報や実践事例がコラージュのようにとり入れられている可能性も考えられる。
本課題の主要な成果はむしろ、教育活動のすべてが必ずしもヴォーリズの発案によるわけではなく、一柳満喜子ヴォーリズ夫人など、高等教育を受け、訪米経験もある日本人女性が共に活動したこと、同時代の日本の革新的な教育実践(京都の両洋中学校校長による校内放送としての音楽や音楽をとり入れた英語学習)が海外の支援者向けに報告されていたことの二点について具体的に明らかとなったことにある。いずれも、日本音楽学会の大会で口頭発表を行った。また、2024年秋に米国National Association for Music Educationの大会で研究発表を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 近江ミッションの音楽・教育活動構想―両洋中学校の視察(1927)に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      齊藤紀子
    • 学会等名
      日本音楽学会第74回大会

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公開日: 2024-12-25  

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