研究課題/領域番号 |
19K12991
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 早稲田大学 (2020) 金沢美術工芸大学 (2019) |
研究代表者 |
星野 太 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80646208)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 崇高 / 美学 / 修辞学 / ロンギノス / バーク / カント / リオタール / ド・マン |
研究成果の概要 |
本研究課題の目的は、西洋哲学における「崇高」という概念をひとつの軸に、古代から現代までの美学史を通覧する視座を獲得することにあった。古代ギリシアの修辞家ロンギノスによる『崇高論』から、近代におけるバークやカント、さらには現代におけるリオタールやド・マンにいたるまで、そこでは〈超越的、空間的、感覚的・統一的〉な垂直方向の「崇高」概念と、それに拮抗する〈水平的・時間的・修辞的・散文的〉な水平方向の「崇高」概念が存在する。本研究課題を遂行した4年間を通じて、この概念のもつ歴史的かつ理論的な見通しを得ることができたことが、最大の成果である。
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自由記述の分野 |
美学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は、おもに英語、仏語、独語圏における文献を対象に、西洋哲学における「崇高」の概念の通史的かつ包括的な理解をめざすものであった。これまで、日本語でも美学や隣接領域における「崇高」の研究書や論文は数多く存在したが、本課題はあくまでもその時代的な変遷や地域的な差異に着目し、いわばその生成史をたどる試みである点で、従来のものとは大きく異なっている。その成果は学術書や論文のかたちにとどまらず、一般書や商業誌における総説というかたちでも公にされた。そのような意味で、本研究成果は学術的・社会的に、それぞれ一定の意義をみとめられると考えられる。
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