研究課題/領域番号 |
19K12993
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
森 功次 大妻女子大学, 国際センター, 講師 (30720932)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 分析美学 / 芸術的価値 / 美的価値 / 美的経験 / サルトル / ネタバレ / 美学 / 現代アート |
研究実績の概要 |
本年は現代の理想的観賞者説の検討作業、および、芸術的価値をめぐる近年の論争を精査する作業を中心的に進めた。 まず書籍としては、『よくわかる哲学・思想』に項目「サルトル」「美の哲学」を執筆した。論文としては『フィルカル』4(2)に論文「観賞前にネタバレ情報を読みに行くことの倫理的な悪さ、そしてネタバレ許容派の欺瞞 」を掲載した。口頭発表では、まず7月に「専門家の意見はわたしの美的判断にどう関わるのか:理想的観賞者と個人的判断との関係をめぐる現代の論争とその展開」というタイトルで、第17回一橋哲学・社会思想セミナーにおいてレクチャー講演を行い、11月には瀬戸内哲学研究会、ワークショップ「芸術的価値」において「芸術的価値をめぐる現代の論争:ロバート・ステッカーの議論を中心に」というタイトルでレクチャー講演を行った。 また、9月には、宇宙開発フォーラムにて、「宇宙開発における芸術」というタイトルで講演、翌年1月には、第70回美学会全国大会開催校企画シンポジウムにおいて「学術的規範の多様性を維持していくということ――美学会の使い方」というタイトルで講演を行った。 ほか、アウトリーチ活動として、WEB媒体に以下の記事を執筆した。 -「「あいトリ」騒動は「芸術は自由に見ていい」教育の末路かもしれない」『現代ビジネス』2019年10月 -「あいトリ「燃やされた天皇の肖像」「放射能最高!」を批判するなら知っておきたいこと」『文春オンライン』2019年10月
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口頭発表の準備に追われ、論文の執筆を進めることがあまりできなかった。
現在進行中のプロジェクトとしては、周りの若手研究者たちと共同で、分析美学の重要な論者であるフランク・シブリーの論文集の翻訳計画を立ち上げた点がある。こちらは来年度の成果になることが見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の目標は、「作者性」に関して昨年執筆した投稿論文を仕上げることである。 また、これまで執筆してきた論文をまとめて著作化する計画を立ち上げ、執筆を進めているが、昨年度より新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて対応に追われており、その執筆作業をあまりすすめることができていない。 オンライン授業をうまくこなしつつ、執筆を進めたい。
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