研究課題/領域番号 |
19K12998
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
藤曲 隆哉 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 講師 (20466999)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 近代彫刻 / 木彫 / 高村光雲 / 髙村光太郎 / 高村豊周 |
研究実績の概要 |
本研究は高村家に残される遺品から高村光雲・高村光太郎・高村豊周の資料を整理し、調査研究するものである。研究対象となる資料は、高村光雲の遺品を中心に、写真資料、木彫制作時に使用された石膏原型・道具類であり、それら資料の整理と記録を行う。また、研究の最終年度には関連する展覧会を行い資料の一般公開、資料集の作成を試みる。 資料群の中には、光雲が木彫制作に使用した星取り用の石膏原型や肖像彫刻を制作する際の写真資料、大正時代から昭和10年前後の作品制作のための出納帳、光雲・光太郎・豊周が制作に使用した道具類や蔵書が残されている。これらの資料を整理・調査研究することで、光雲・光太郎・豊周の制作の方法やプロセスをより具体的に明らかにすることができるだろう。本研究の目的は、これらの髙村家に残る髙村資料を整理し、その内容を明らかにすることで三者の作品制作過程の新たな情報を得ようとするものである。 研究実施計画は資料の整理(付番)、写真撮影記録、資料の翻刻作業が主体となる。しかし、資料の大半は家屋の立替に伴い、現在分散して保管されているため取り出しやすい重要な資料から整理を行う。 今年度の研究では、資料作成のための予備調査及び、一部資料のデータスキャン作業と翻刻を行った。またデータスキャン作業は、大正8(1919)年に制作された善光寺仁王門諸像の制作記録等や、制作時の日誌類と領収書等を含む出納帳に焦点を当て行った。今後は重要な石膏作品及び出納帳類の資料から整理、付番付けを行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は当初研究計画より遅れている。その理由として対象となる資料が分散して保管されていることによる。また、対象となる資料の整理に関わる人員が当初計画より確保できていない状況による。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は当初計画のとおり資料全体のリストアップ、主に紙資料に焦点をあて整理を進めて行く。また、同時に翻刻作業を進めることでその資料の重要性を明らかにして行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は人件費の多くかかる資料整理、付番付けの作業が進まなかったため、当初計画より大幅に次年度使用額が生じた。
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