第一の成果として、17世紀後葉の仁清が手がけた金銀彩作品、17世紀後葉の有田の色絵磁器を契機として、金銀彩が施された日本陶磁の作品を網羅的に調査することができた。第二に、新型コロナウイルス蔓延による活動制限のなかで、「金銀彩を施した陶磁器」以外にも視点を広げ、安土桃山時代~江戸時代初期に制作された障屏画、漆工、金工作品を対象とすることができた。第三に、当初想定していなかったイスラーム陶器の事象としてラスター彩の調査を行なうことができた。そして、金銀彩の賦彩方法について、薩摩焼、京焼などの現代作家に取材し、現代の視点から仁清や乾山作品における金銀彩について聞き取りを行なうことができた。
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