音楽大学や音楽院などにおいて、伝統的な作曲技術の保存・継承を目的とした音楽書法教育が行われてきた。こうした技術は、楽譜のような資料化できるものとは異なり、師弟の人間関係を通じて伝えられてきた面がある。しかし、近年では音楽書法とプログラミングが融合することで、音楽書法がより再現可能で共有可能な知識となる可能性が開けつつある。本研究では、楽曲スタイルに基づく音楽生成プロセスを制約充足問題や最適化問題へと翻訳し、それを解くことで楽曲の生成などを実現できるようにする方法論の構築を行なった。ウェブ・アプリケーションのような形での実用化に至れば、高度な作曲教育を誰もが受けられるようになる可能性がある。
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