研究課題/領域番号 |
19K13039
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
安達 詩穂 朝日大学, 保健医療学部, 助教 (10783095)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | コンテンポラリーダンス / モダンダンス / お稽古場 / ダンススタジオ / 指導プログラム / 郵送法 |
研究実績の概要 |
日本の「お稽古場」およびダンススタジオにおいて現状実施されているダンスレッスンプログラムの実態とそのルーツや特徴、安全面や技能面の効果を、全国への郵送調査によって概観するため、2019年度は質問紙の作成と検討、母集団の把握と本調査の実施を行った。 本調査では、モダンダンス教室等の基礎情報をデータベース化することに加え、日本の「お稽古場」文化において、指導者の質の担保のための資格保有について現場の指導者がどのように考えているのか、資格保有と指導力の関係に着目していた。そのため、Yahoojapan検索エンジンで「モダンダンス教室」と検索し、モダンダンス等の講師を採用し、抽出された320件の講師情報からカテゴリーを作成し、その内容やデータ数を比較することで、調査項目作成、保有資格の把握などを行った。この結果を、2019年10月6日比較舞踊学会第30回大会において「日本の『お稽古場』および民間ダンススタジオにおけるモダンダンス講師の特徴-ウェブサイトに公表されているプロフィールの分析を通して-」として報告した。この調査の結果から、安全面や技能面の効果を含む指導力を調べるための尺度を作成し、予備調査を経て本調査で使用する質問紙を作成した。 また、郵送リスト作成時に、Yahoojapan、Googleの検索機能と、iタウンページの検索機能を併用し、「モダンダンス教室」「コンテンポラリーダンス教室」と検索することで母集団の把握を行った。その結果、郵送可能な被験者が計画当初より少ないことがわかり、調査実施時には回答率を上げるためのインセンティブと催促葉書の郵送を行った。 また、海外ダンススタジオの情報収集や、ウェブサイトにおける講師プロフィールの分析を通して、「お稽古場」およびダンススタジオの種類について、コンセプトの違いによるカテゴリー作成について示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初より、母集団の把握に時間がかかり、本調査の実施時期が遅れたことに加え、母集団が少なかったことによる対策として、追加された作業があった。 海外ダンススタジオの現場実施される指導プログラムに関する信頼できる資料が少ないことから、特徴的なプログラムの把握に留めた。また、調査内容から、日本のモダンダンスの歴史と関連させて、本調査の結果を考察する必要性が確かめられた。
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今後の研究の推進方策 |
5月までにサンプル数を確定させ、統計的解析に取り掛かることとする。その際、先行研究であるクラシックバレエ教室のデータベースを参考に資料を作成する。また、これまでの資料収集で得られたダンススタジオのコンセプトに関する考察から分類を実施することや、日本のモダンダンスの歴史を概観し、関連性を考察することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画当初より母集団が少なかったことから、予算が使いきれない結果となった。また、アルバイト学生とともに行う予定であった作業を1人で行うこととなり、時間を要したとともに予算が余ることとなった。次年度は研究成果の公表を積極的に行う予定であり、次年度の使用額はその作成費、旅費等に当てることとする。
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