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2019 年度 実施状況報告書

即興音楽療法の感性トレーニングのアプローチを用いた人材育成プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K13040
研究機関名古屋音楽大学

研究代表者

長江 朱夏  名古屋音楽大学, 音楽学部, 講師(移行) (80795295)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード感性トレーニング / 職員研修 / 虐待防止 / コミュニケーションスキル
研究実績の概要

研究初年度である2019年度には、本研究の下地となる、感性トレーニングの重要性と、対人支援従事者への活用と適応についての調査を行った。そのきっかけとしては、本研究テーマに添う先行研究が見つからず、本研究への着想と期待に向けての理論構築が必要であったことにある。音楽療法士、コーチング・トレーナー、ドラムサークル・ファシリテーター、教育者などにインタビューを行う中で、本研究テーマの理論を新たに構築する作業を行っている。
実施内容としては、国内外において、本研究へのアドバイジングを受け、トレーニングプログラムの構築に向け内容構成を進めている。また、アメリカ出張において、音楽体験を通して育成や企業研修を行う専門家を訪ね、インタビューを実施。また、私の母校であるルイジアナ州の大学において、本研究のプログラムの一部を提供し(試験的実施)、講師陣及び学部・大学院生からの率直なフィードバックを受けることもできた。加えて、感性を生かした様々な音楽体験プログラムが発表されるドラムサークル・ファシリテーターズ・カンファレンスに参加し、感性を敏感にする非言語の体験にも触れ、大きな学びとなった。実体験をもとに、どのような取り組みがより効果的に学びを深めるかを慎重に考え、プログラム構築に活かしたいと考える。特に、非言語によるワークを促す場合、構えがちな日本人にとっては急に切り替えることが難しいと想定されるので、どのように緊張を解し、ワークに向かえる心の準備を整えるかの導入テクニックも必要だと実感した。
これらの経験と下積みを踏まえ、プログラム内容の構築並びに、想定されている実施内容の改善に役立てていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年度に想定されている、本研究の感性トレーニングプログラムの実施可能な施設との調整を進めてきた。2020年1月の時点で4つの福祉施設からの協力が約束されていたが、その後の新型コロナウイルスの影響により、4月時点で実施は全て保留状態となっている。
本年度他に予定されていた海外出張は、即興音楽療法のトレーニングプログラムへの視察を想定していたが、新型コロナウイルスの影響により、キャンセルの運びとなった。このため、最終版の研修プログラムが完成できておらず、研究の試行段階の開始が見送られている状態である。

今後の研究の推進方策

まずは、2019年度を通して行ったインタビューや本研究の下地となる理論的背景をまとめ、学会発表あるいは文献発表を目指す。
そして今後は、福祉施設との連携を図り、研修(トレーニング)の実施を進めたい。しかし、本研究のもつ特徴から、トレーニングは対面式でなければならない。対人支援に直接関わる内容であることから、オンラインやリモートでの対応では必要十分な体験的学びが提供できない。これに関しては、現在のリモート移行への世の流れは非常に厳しい現実となっているが、その状況下でも変わらずに人との関係や介助・介護の中で支援の仕事に取り組む人々が存在することは事実である。新型コロナウイルスによって考えられる様々なストレスが、職員のメンタルヘルスに影響を及ぼし、施設内での虐待やハラスメントへ発展する可能性がある。そんな時期だからこそ、本研究の実施を迅速に進めたいと考える。進展が難しい大きな要因は、施設への外部者の立ち入りが制限されていること、3密を避けるために研修自体を当面行わないとしている施設が多いこと、そして県・圏外への移動自粛があることである。施設との連絡を取りながら、実施の調整を図りたい。
また、現在は感染対策の影響により規制されている海外渡航が緩和された際には、ニューヨークでの即興音楽療法トレーニングへの視察、音楽療法士による医療従事者へのトレーニング視察などを行い、最先端の現場から今の日本へ適用できる内容を組み込みたいと考える。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスにより、参加を予定していたトレーニングプログラムが延期となったこと、国内外の出張移動ができなくなったことで実施できなかった計画内容がある。

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公開日: 2021-01-27  

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