研究課題
若手研究
音楽儀礼に関わるテクストの読解を通し、儀礼における人の動きなどの実態解明、儀礼で行われる音楽の様相、それら音楽が持つ思想的役割などを明らかとし、日本文学、日本史、宗教史など、諸分野をまたぐ儀礼研究に一定の方向性を示した。さらに儀礼における音楽を記した古典作品について詳しく読むことで、『古今著聞集』や『続古事談』などに見える、従来は文学的要素に乏しいと思われていたいくつかの説話について、新たな読みを提示した。
日本古典文学
本研究は、諸資料を読解し、時代に即した「読み」を提示する、日本文学における一般的な方法ではあるが、扱うテクストは次第や式、唱導資料、従来扱われてこなかったもの、または文学と見なされてこなかったものであり、かかるテクストに新たな価値付けを行った点に、学術的意義が存在する。同時にそれは、新たな古典の読みの可能性を提示するものであり、一定の社会的意義を有するものである。