研究課題/領域番号 |
19K13066
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
宮本 祐規子 白百合女子大学, 文学部, 准教授 (50720364)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 浮世草子 |
研究実績の概要 |
今年度も、西鶴以降の前期小説と特に絵画との関係性について基礎的研究を進めた。昨年度に引き続き、西鶴の挿絵と出版状況及び実際の器物との関係性についての整理・調査を進めた。 美術館・博物館の資料を実際に確認する地道な作業を中心に行ったが、特に清水三年坂美術館の展示におけるキャプションは非常に興味深く、17世紀から19世紀の日本工芸品が文学からの影響が大きいことを確認するとともに、従来の視点以外の切り口を見つけないと、今後の研究の深化が難しいことを改めて確認することになった。科研費以外の研究費からの補助でEAJRSにおいて発表を行ったことを契機に、ルーヴェン・カソリック大学(ベルギー)で所蔵されている和本の調査も行った。 また、従来言及されてこなかった挿絵作者についても浮世草子の挿絵を比較検討することで「~風」と触れられるのみであった画家たちの特定ができないかについても調査を行ってきた。美術史における18世紀以降は、上方画壇が力を持った隆盛期と言われている。しかし、ほぼ同時期に多く耳目に触れてきた版本からの影響、版本への影響への言及は少ない。美術史ではなく文学側からのアプローチも資することができるのではないか、と考えているが、版本の画家たちが署名するのはこの後の時代からであることも影響し、絞り込むことはできた画家もいたが、当時の浮世絵師などとの同定にまでは至らなかった。この観点は、学際的な意味でも重要な取り組みだと考えており、今後も検討が必要と考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定よりも成果に結び付けられるような挿絵と関連する器物の特定が上手く進まず、研究進捗状況がやや遅れた。来年度はこれまでの調査に基づき、成果発表を行う。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、西鶴以降の前期小説と特に絵画との関係性について基礎的研究を進めていく。今年度得た研究成果を、最終年度に当たる来年度には積極的に報告していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまで調査収集作業などができなかった期間が長く、残金が生じた。次年度は、成果報告書作成なども含め、適正に使用していく。
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