• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

在日朝鮮人文学と「本名を呼び名乗る」運動の関連性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13069
研究機関早稲田大学

研究代表者

康 潤伊  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (90822198)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード在日朝鮮人 / 社会運動
研究実績の概要

2019年度は主に資料調査を行った。本研究の中心を成す資料の所蔵先の確認と閲覧を済ませ、本研究を遂行する素地は整ったと言える。資料調査をしてみて発見できたのは、運動が積極的に行われていた同時代から、運動に対する異議や違和が(研究代表者の予想より多く)みられたことである。そうした異議や違和は、例えば運動をすすめる教員に対する生徒からの問題提起というかたちを取っている。異議や違和の内容も、単に「本名」を名乗らせることに対するものだけでなく、多岐にわたっていた。例えば、結局運動がごく一部でしか行われておらず、運動をすすめている教員の手を離れた途端に差別にさらされてしまうという現実を突きつけるものや、日本人側の意識を変えるだけではなんの解決にもならないといったものである(「本名運動」には、日本人側の差別意識を啓蒙する目的もあった)。
本年度の調査では主に、運動が盛り上がっていた同時代の資料を中心に調査したが、運動が一段落ついたときどのように総括され、今の評価が形成されるに至ったかを明らかにする必要が出てきたといえる。また、運動が下火になりゆくのと同時に、ニューカマーや日系二世の子どもたちといった、より多様な出自を持つ生徒たちに対応する必要が出てきたようである。「在日朝鮮人教育」が「在日外国人教育」へと接続・展開されるとき、運動の成果や反省はどのように引き継がれたのか、あるいは引き継がれなかったのかについても、検討する必要性が出てきたといえよう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度は研究代表者が博士論文を提出した年であったため、実際に研究の遂行に当たることができたのは博士論文の審査後であった。

今後の研究の推進方策

2019年度で基礎的な文献調査は終了したといえる。2020年度は収集した資料の読解を行い、研究成果として発表できる素地をつくる方針とする。

次年度使用額が生じた理由

2019年度は研究代表者が博士論文を提出した年であり、実査に研究の遂行に当たれたのは審査後だったため、次年度使用額が生じた。使用額は、夏季および冬季休業期間に集中的に資料調査を行うことに充てる予定である(新型コロナウイルスによる肺炎流行の経過次第では資料調査を行えない可能性はある)。

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi