研究課題/領域番号 |
19K13077
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
中葉 芳子 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (60581668)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 源氏物語 / 古筆切 / 享受 |
研究実績の概要 |
当該年度は、資料の調査・収集に重きを置く予定であった。しかし調査に赴いた先で、早々に公開し、研究者の方々にお目に掛けてご意見をうかがい、また研究者の方々の研究に役立てていただきたい資料と出会うことができたため、それを論文として公開することを優先した。所蔵先にも便宜をはかっていただいて、論文を公表する場を与えていただけたことはありがたかった(『伝藤原為家筆源氏物語常夏(模写)』解題並びに翻刻・影印)。 また、先年来、関心を持ち調査を続けてきた資料について、発表する場所を与えていただけたこともあり、その資料に含まれる『源氏物語』の古筆切を論文としてまとめた(池田光政筆「古筆臨模聚成」所収の『源氏物語』本文の古筆切)。 この資料に関しては、異なる古筆切を取り上げて口頭発表もおこなっている(池田光政筆「古筆臨模聚成」所収の『源氏物語』享受資料の古筆切)。 これらはともに模写や臨模であり、原本ではない。原本が存在すればそれが勝ることは言うまでもないが、原本が現在見出されていない以上、研究資料として価値があると考えている。 本来、当該年度の中心となるはずであった調査・収集は、年明けからの社会情勢により思うに任せなかった面もあり、予定していたよりも進展しなかった。ただ、少ない調査日程ではあったが、有意義な調査ができており、調査済資料の整理や内容の精査などは進められている。公開には今少し時間を有すると考えるが、公開に向けて準備を続けたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査に赴いた先で閲覧した資料が、是非公表したいものであったために、調査の進展よりも資料公開のための論文執筆を優先したため、調査に赴く時間がとれなかった。 また、年明けからの新型コロナウィルスの影響で、調査予定を中止せざるを得ないことがあり、それも進捗がやや遅れている原因でもある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は調査・収集を中心に行いたいが、社会状況を考えると難しいと思われる。図書館など資料を閲覧できるところも休館が続いているため、状況は厳しい。 その中で、できることを見つけて進めていくしかないと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
公開を急ぎたい資料との出会いにより、調査・収集よりも公開するための論文執筆を優先したこと、社会情勢により調査・収集が年明けからおこないづらくなったこと、により、次年度使用額が生じた。 予定通り、調査・収集に使用したいとは考えているが、社会情勢次第だとも思っている。
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