新型コロナウイルスの流行により海外への出張調査が不可能となってしまったため、計画の大幅な見直しを行い、既に手元に資料を多めに収集していた坊刻の実態に絞って研究を進めた。 2021年度までには、長らく所在不明だった阿英旧蔵の熊雲濱覆世徳堂刊本『西遊記』について紹介したり、明末の杭州の書坊容與堂の活動に関して新たな知見を得たり、過去の日本語論文を中国語訳して海外に成果を発信した。 2022年度には、2021年度後半に別の研究経費によって購入することが出来た、それまで存在自体が全く知られていなかった伍子胥を主人公とする明末の通俗小説刊本『新刻彙正十八國闘寳傳』について初歩的な研究を行った。
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