研究課題/領域番号 |
19K13114
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
皆川 祐太 上智大学, 文学研究科, 研究員 (60823333)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 環大西洋 / エドワード・テイラー / ピューリタン / アメリカ詩 / 初期アメリカ文学 |
研究実績の概要 |
本研究は、エドワード・テイラー(Edward Taylor, 1642-1729)の初期の詩と思想を、環大西洋を複雑に行き来する、人的かつ思想的なネットワークに着目し、分析するものである。初年度は特に、テイラーがニューイングランドに移住する際に、イングランドから持ち込んだ手紙(推薦状)を探し、それを通してイングランドとニューイングランドを結び付ける人的関係を検証し、そのつながりの中にテイラーの初期の思想を位置付けようとした。しかし、この手紙を見つけることは出来なかったが、手掛かりは見つかった。
本年度は、先行研究の分析と、ハーヴァード大学図書館およびマサチューセッツ・ヒストリカル・ソサイエティで資料収集をした。そこで分かったことは、まずテイラーが誰に紹介状を渡したか、そして彼が在籍したハーヴァード大学はどのような知的風土だったかである。彼のイングランドにおける人的、思想的ネットワークがニューイングランドにおける彼の思想や立場に影響を与えていたこと、そして、彼がどのような教育を受けていたかが明らかになった。また、ニューイングランドで、彼がイングランドのピューリタンが書いた書物を手にしていたことも分かった。ここから、テイラーがイングランドのピューリタニズム思想を、ニューイングランドでも重んじていた事が確認できた。
あと、ブログを開設し以上の海外調査で発見した内容を公開している。これまでほとんど触れられなかった、テイラーのハーヴァード大学時代に関する資料の分析を公開しているので、テイラーについての幅広い理解の一助となり、初期アメリカ文学の魅力を一般に伝えるきっかけの一つになっているのではないかと思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第1回目の海外調査およびブログの作成は順調に進んでいる。ただ、3月に予定していた2回目の海外調査がコロナウィルスの世界的蔓延のために行えなかったので、研究の進展に遅れが出てしまっている。あと、5月に研究成果を学会発表する予定であったが、コロナウィルスの国内蔓延ために中止となったので、発表することが出来なくなった。そのため、「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
海外調査を通し、テイラーが実際に手紙を渡した人物の日記等を分析し、この手紙が誰によって書かれたのかを重点的に調べ、イングランドとニューイングランドを結ぶ会衆派の人的ネットワークを調べる。同時に、適宜ブログの更新を行う。ただ、コロナウィルスの世界的蔓延のために海外調査が今後も難しくなった場合は、デジタル・アーカイブ等で閲覧できる範囲の資料の分析を中心に行う予定である。
以上に加え、テイラーのイングランド時代及びハーバード大学に在籍していた際の詩作品は書籍化されているので、それを中心に初期の詩について論考する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、コロナウィルスの世界的蔓延により、2回目の海外調査に行くことが出来なかったからである。今年度は海外調査を2回計画しており、それぞれ1週間を目安にしていたが、2週間にすることで、当該助成金を使用する計画である。
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