政治や経済に興味を示す女性に対する根強い偏見があった19世紀の英国社会において、重度の難聴を抱えた女性ジャーナリストのイライザ・ミーティヤードが、徹底した取材と調査を行いながら著作活動を続けられた理由を探究した。主な理由は、第1に性別に関係なく利用できる大英博物館の図書室等に通い大量の資料を参照できたこと、第2にユニテリアン急進派の人脈に恵まれ、彼らの出版する大衆向上雑誌に寄稿することで社会派ジャーナリストとして訓練を積めたこと、第3にユニテリアン急進派の人脈を通して、さらに広い範囲で様々な出版社や雑誌編集者や情報提供者と知り合い、ジャーナル記事の作成や寄稿のための機会を得たことである。
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