研究課題/領域番号 |
19K13121
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研究機関 | 京都華頂大学 |
研究代表者 |
柿本 真代 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 准教授 (40759081)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 翻訳 / 絵本 / ジェンダー / 家族 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本における外国童話や昔話が英米の絵本やアニメーションの流入によってどのように変容し、今日に至ったのか、また日本化の特徴とはどのようなものかを歴史的に解明することを目的にしたものである。 2021年度は、海外渡航ならびに国立国会図書館や他大学図書館への立ち入りが難しくなったため、当初予定したアメリカでの調査や国内での雑誌調査を断念し、近隣図書館で調査可能な内容に大きく変更し、近年の昔話を含めた絵本の出版状況や、ジェンダー表象について整理し、日本の絵本と翻訳絵本の差異を明らかにした。本調査によって、日本の絵本では近年家事や育児をする父親の姿が描かれることが増えてきたものの、翻訳絵本に比べ育児に従事する姿はみられにくく、多様な家族のありかたも描かれにくいことが明らかになった。 この結果をふまえ、2022年度は国立国会図書館や他大学図書館での調査を再開し、『日本児童文学』『国民教育』『キネマ旬報』など複数の雑誌の言説を分析することで、図書館員、教育者や映画関係者など、様々な立場からの絵本や外国童話の評価とその変遷を明らかにする予定である。また、映画関係の専門図書館でも調査を行い、アニメーション映画に関する調査も行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基礎的資料の収集のためのアメリカでの調査や、国会図書館や他大学の図書館などにおける文献調査が新型コロナウイルスの影響によって困難になり、研究計画を大幅に変更したため当初の計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度はこれまで実施できなかった国内での調査を重点的に行う予定である。具体的には国立映画アーカイブ図書館や東映太秦映画村・映画図書室、松竹大谷図書館等で映画公開時の資料に関する調査に加え、『日本児童文学』・『国民教育』・『キネマ旬報』1940~1980年代の雑誌の調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大のため、海外および国内調査に行けず旅費の支出がまったくなかった。次年度は国内調査を行う予定のため、主に旅費と複写等の費用として支出予定である。
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